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サモン君だより8月
掲載日:2025.08.31
気がつけば8月も終わりを迎え、暑かった日々も少しずつ涼しくなってきました。当館の隣を流れる千歳川には、7月19日に秋の風物詩であるインディアン水車が設置され、その3日後には今年最初のサケが捕獲されました。また、7月31日に千歳川水中観察窓で4匹のサケが同時に姿を現し、観察窓で第一号のサケを確認しました。ほぼ同時に4匹(オス2匹、メス2匹)のサケが登場し、その中からオスのサケを第一号にしています。

最初に登場したサケは、窓の前を通過することが多く、今回はその日の昼過ぎまで窓の前で姿を見せていました。これほど長時間、窓の前に姿を見せてくれることはめったにないため、お客様にも直接ご紹介でき、多くの方に喜んでいただけました。
今年の夏は、千歳川水中観察窓であまり見たことない現象が観察されています。特に、ウキゴリの仲間の稚魚の群れが2週間にわたって確認されています。7月21日から8月4日まで各窓でこの稚魚たちが群れを成して泳いでいました。これまでは、群れを確認しても1週間以上続くことはなく、この確認は非常に珍しいことです。さらに、タイリクバラタナゴやアユが観察され、ヌマチチブの数も多く見られるなど、様々な魚種が登場していました。
これまでに、観察窓で確認されている魚種は40種類です。40種類目として新たに記録されたのは「ゲンゴロウブナ」で、2018年9月13日に観察されています。そして、今年の8月13日に、当館のスタッフが観察窓でまだ確認されていない魚種かもしれない魚を確認しました。見慣れないタナゴの一種で、当初「ヤリタナゴ」だと思っていたのですが、タナゴの専門家などに確認したところ、「アブラボテ」の可能性が高いとのことでした。動画だけの判断は難しいとのことで、まだ正式な発表はできていませんが、もし「アブラボテ」だとすれば、北海道での新たな発見になります。ちなみに北海道では、2017年に白老で「ヤリタナゴ」や「アカヒレタビラ」も見つかっています。この二種は、北海道には分布していなく、DNAを調べたら移入種で国内外来種と判断れています。今回の発見を41種類目の魚種として正式に記録できるよう、今後も観察窓での目視確認や千歳川の現地調査を続けていきたいと考えています。
【学芸員 日原俊】