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サモン君だより11月
掲載日:2025.11.24
11月ももう終わりを迎えようとしています。例年あっという間に散ってしまう紅葉は、今年は色鮮やかに、体感では秋を長く楽しめていたような気がします。雪が積もるほど降る日もあり、そんな日は白の中でより赤と黄色が際立っていました。
さて、11月は「鮭の日」がありました。「鮭の日」は、鮭という漢字の圭を分解すると「十一 十一」になることから11月11日に制定されました。
当館では、鮭の皮を切ってラミネートして作る『しおり作り』や、「鮭の鮭」(いわゆる「鯛の鯛」。胸ビレを支える骨(肩甲骨と烏口骨)の部分)を取り出す体験が出来る『サケのサケ発掘体験』、そして『採卵体験』のイベントが行われました。
SNSでは、5日前から飼育スタッフ達が順番にカウントダウンを行いました。その中でも、鮭を手際よく捌いているタイムラプス動画が特に人気でした!

https://x.com/chito_se_ame/status/1987780131776290962?s=46&t=Kw0sdskrxAeCuAYXn8CfSw
投稿したのは今年で勤務2年目の若手スタッフ。それまで魚を捌く機会は無かったようですが、あっという間に大きなサケの解体をこなしています。とても頼りになるスタッフです。

さて、動画の中では三枚おろしにする前に、皮をせっせと剥いでいます。
その皮についた余分な肉をヘラで削ぎ、板に貼り付けて乾かしたものが「しおり作り」で使用されたサケの皮です。

アイヌの人たちはヒレがついたまま皮を剥ぎ、冬靴(チェプケリと呼ばれるサケの皮の靴)を作っていましたが、ヒレつきは中々剥ぐのに時間がかかることと、当館ではケリとして利用することがないため、ヒレを切り落として剥いでいます。

SNSの投稿文にもあるように、展示されているサケは死んでしまったら廃棄をするわけではなく、体験イベントを通してよりサケのことを知っていただくための材料にしたり、身は冷凍保存し、主にカイツブリ用の餌にして無駄にしないようにしています。

「展示が終わったサケは食べるんですか?」と聞かれることも多いので、こういった水族館の裏側も今後少しずつ発信出来たら良いなと思います。
【飼育員 山林】