サモン君だより12月

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サモン君だより12月

掲載日:2025.12.24

千歳水族館に来てから2度目の冬を迎えようとしている滋賀県出身、雪と寒さが苦手な学芸員の寺嶋です。もうすでに去年以上の雪の多さを経験してしまい、これからの天候が不安な今日このごろです。

千歳川では設置されていたインディアン水車が12月5日に撤去されました。当館の親サケ展示はインディアン水車で捕獲されたサケを使用しており、親サケ展示も12月10日をもって終了いたしました。今年の水車で捕獲されたサケは 67,283尾 で、昨年の 161,276匹尾と比べると約6割の減少となり、1995年からの記録の中ではワースト2位の少なさでした。

しかし、水中観察窓でサケが1日中全く見られないという日はなく、親サケ展示も最後まで見応え十分な数を維持したまま終えることができました。また、サケの採卵体験も合計6回全て無事に実施することができました。サケが少ないシーズンでしたが、展示も体験も滞りなく皆さまにお届けできたことに、胸をなでおろしています。

6回の採卵体験で人工授精したサケの卵は、それぞれの回毎に水槽を分けて、体験ゾーンで展示しています。最も早く採卵した卵はもうすでにふ化して、水槽内を少しずつ泳ぎ始めています。そのほかにも、ふ化したてで「さいのう(栄養の袋)」をつけた状態のサケの赤ちゃんやまだ卵の状態のものもご覧いただけます。

こうして当館でふ化したサケの赤ちゃんたちは、これからどんどんエサを食べ成長します。そして、2月1日からは当館のサーモンゾーンにて卵からふ化して元気に育ったサケの赤ちゃんを展示予定です。数千匹の群れで元気に泳ぐ姿をご覧いただけるかと思います。また、水槽展示だけでなく、3月上旬からサケ稚魚の放流体験を実施予定です。千歳水族館から少し離れた場所にある別棟の飼育棟では、数万匹のサケの赤ちゃんが次々と誕生しています。

今年戻ってきたサケは少なかったですが、来年は今年よりも1匹でも多く元気なサケたちが千歳川に戻ってきてくれることを願っています。

【学芸員:寺嶋 伊武樹】  

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