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サモン君だより10月
掲載日:2025.10.25
先日、雪虫が飛んでいるのを見かけたかと思ったら、ぐっと冷え込みが厳しくなってきました。私は少し風邪をひいてしまいましたが、みなさまはいかがお過ごしでしょうか。さて、そんな寒さもサケにとっては好都合。千歳川水中観察窓では、毎日のようにサケの姿が見られています。とはいえ、窓いっぱいにサケがひしめき合うような群れはまだ確認できておらず、「これからたくさん遡上してくれるはず」と期待しているところです。

館内では、2年ぶりとなるベニザケの展示を行っています。サケ(シロザケ)は川で生まれるとすぐに海へ下り、約3年間海で過ごした後、繁殖のために再び川へ遡上します。一方、ベニザケは生まれたあと1〜3年間を湖で過ごしてから海へ下り、1〜4年海で過ごすという、少し変わった一生を送ります。繁殖のため再び川や湖へ遡上してきたベニザケは、紅葉のように鮮やかな赤色に染まり、その姿は本当に見事です。
現在の展示はラスト1尾となり、今年の展示はまもなく終了を迎えそうです。来年も展示を予定していますが、ベニザケはサケよりも展示期間が短いため、展示が始まりましたらぜひお早めにご覧くださいね。【10/25(土)に最後のベニザケが死亡したため、現在は展示しておりません。】

そして10月末といえばハロウィン。館内はハロウィンの装飾で彩られ、特別展示「魔女の部屋」がはじまりました。バックヤードで出番を待っていた、ハロウィンにぴったりの生きものたち——血に毒をもつニホンウナギ(加熱すると毒性はなくなります)や、耳腺から毒を出すアズマヒキガエル、小魚などの体液を吸うタガメなどが登場中です。さらに、スタッフたちがバックヤードの奥底から見つけ出してきた秘蔵の骨やヘビの脱皮殻、エゾライチョウの剥製など、“本物”の展示物も飾られています。展示のあちこちにスタッフの遊び心が散りばめられていますので、ぜひお楽しみください。



【学芸員 髙木】