サモン君だより 7月

掲載日:2021.08.06

インディアン水車設置!

行った気分で楽しもう!ぐるっと全国水族館めぐり開催中

 夏本番を迎え、暑苦しい日が続いておりますが、千歳水族館の涼しい館内では、夏休みに入ったご家族連れの楽しげな声が響いています。この猛暑の中、千歳川では早くもインディアン水車が設置され、7月29日には何と今シーズン最初のサケが捕獲されました。千歳水族館の水中観察窓では、8月4日の豪雨の後、サケらしき姿がぼんやり見えたのですが、雨の影響で川が濁り、写真がうまく撮れませんでした。昨年最初のサケを撮影できたのは8月6日。今シーズンもできるだけ早く、観察窓第一号のサケの姿をお届けしたいと思っています。 さて、千歳水族館では8月31日まで夏季企画展「行った気分で楽しもう!ぐるっと全国水族館めぐり」を開催しております。北海道から九州までの全国20施設にご協力いただき、各施設の紹介とともにそれぞれの名物飼育員によるイチオシの生き物をおよそ20種類集め展示しています。新型コロナウイルスの影響で、思うように旅行や外出もできない中、全国の色々な水族館のご紹介と、そこから集まってくれた生き物たちを千歳水族館でご覧いただき、少しでも旅行気分を味わっていただこうという企画です。

 今回の企画展では、各施設様から展示生物をお借りして展示しているのですが、これがなかなか大変でした。展示生物の重複がないように各施設様と打合せし、展示生物を受け取る前には、それぞれに異なる飼育環境をきちんと準備しておかなければなりません。北海道の水族館としては初登場の生き物などもいて、当館としても飼育経験が無い生き物も多く、その飼育方法をしっかりと把握しておく必要もあります。輸送方法や日程を調整するのも一苦労でした。北海道内の水族館にはご挨拶も兼ねて、飼育員自ら車を運転して各水族館に伺い、生き物たちを慎重に運んできました。このご時世、道外については直接伺うことは困難ですので、佐川急便さんなどにもご協力いただき、できるだけ短い期間で生物に負担のかからないように送っていただけることになりました。ただでさえ他の水族館さんも忙しい夏の時期にも関わらず、ご協力下さった各施設様には、心から感謝しております。

 今回展示している生き物たちは全て、企画展終了後には各施設様に返却しなければなりません。無事に元気な姿でお返しすることで皆さまのご恩にお応えできるよう、企画展終了までしっかりと飼育していきたいと思います。

 最後に、北海道にいながら全国各地の施設を知ることの出来る今回の展示は、水族館のことを調べたり、地域毎の生き物の特徴を考えたりできるという意味でも、夏休みの自由研究にピッタリだと思います。加えてサケのことも色々と調べられる「夏休み自由研究応援セット」も、期間限定で館内売店にて販売中。自由研究に困ったときにはぜひご利用ください。

【学芸員 日原 俊】