サモン君だより 第929回
掲載日:2015.11.28
グラスツリー好評
サケの遡上一段落
連休明けの火曜日、突然の大雪に見舞われ、あっという間に千歳も雪景色に変わりました。ずっしりと水気の多い重たい雪に、うんざりされた方も多かったのではないかと思います。しかしサーモンパークでは、東南アジアや台湾など、海外のお客様が雪の中で大はしゃぎ。白銀の世界に歓声を上げていました。
今シーズンのインディアン水車でのサケ捕獲数は、既に26万5千匹を超え、昨年の総捕獲数の倍近い数字となっていますが、季節の移ろいとともに、千歳川を遡上するサケの姿も減ってきました。ほんの1ヶ月前、川を真っ黒に埋めたサケの大群は、もう見る影もありません。
しかし、次の主役はちゃんと用意されていました。冬になると千歳川に渡ってくる水鳥たちです。まだハクチョウの姿はほとんどみられませんが、マガモやヒドリガモなど、多くのカモたちがやってきて、千歳水族館の水中観察窓からは、時折この水鳥たちが潜水する姿も観察することができるのです。
現在は、キンクロハジロを中心に3~4種類のカモが、多いときには10羽以上、同時に潜水している様子なども見られています。彼らのお目当ては、インディアン水車で捕獲されたサケからこぼれた美味しいイクラ。クチバシの先で川底の石を上手にめくりながら、サケの卵を見つけてはパクパクと食べます。もう少しすると、一端少なくなったサケが再び遡上し、観察窓の前で産卵する様子も見られることでしょう。
館内も季節に合わせ、現在はクリスマスムード一色に変わっています。様々な装飾の中でも好評なのは「イクラのグラスツリー」です。シャンパングラスを重ねたツリーのグラスには、ふ化間近のサケの卵が入っています。そのグラスの土台となる水槽では、ふ化したてのサケの赤ちゃんもご覧いただけます。15時からは照明も変化する魅惑のイクラグラスツリー。この時期ならではの展示を、ぜひご覧下さい。
(学芸員:菊池 基弘)