新サモン君だより 9月

掲載日:2021.10.04

いよいよサケのシーズンがやってまいりました!現在、千歳川水中観察窓では、サケの群れを観察できる日が増えピークを迎えております。

【千歳川水中観察窓】左:ウグイのカーテンに隠されるサケ、右:サクラマス成魚

 

さて、館内の展示はというと、夏の企画展で展示していた生き物たちは、ほぼご協力いただいた水族館へと帰っていき、スロープでは新たに小島加奈子展「とーぼくばあさん-支笏湖の森の絵物語」を10月3日まで開催しました。

また、毎年恒例ではありますが、千歳川のシロザケに、常呂川のカラフトマス、美々川のベニザケといった迫力のある親ザケたちを展示しております。

【展示水槽】左:シロザケとカラフトマス、右:カラフトマス

 

 このカラフトマスは、オホーツク海の川に多く遡上しており、毎年展示用に北見市の常呂川からいただいています。ただ、カラフトマスの運送は、非常に気を使うため、夏の企画展のように運送会社に委託せず、私たち水族館スタッフで行っております。今回は、その運送の工程をちょっぴりご紹介します。

 カラフトマス搬入の日、朝3時半頃に水族館を出発し、5時間程トラックを走らせ、常呂川の捕獲場を目指します。現地で運送用の水とカラフトマスをトラックの水槽に積み込み、帰路につくのですが、ここからが大変です。カラフトマスを死なせないように水族館を目指さなければなりません。まず、酸欠に注意が必要ですし、サケの仲間は水温が高いと体調を崩すため、約1時間毎に溶存酸素量と水温を計測しながら帰ります。因みに、水族館に着く頃の水温は16℃以内とするため、それよりも水温が上がりそうであれば水槽の中にブロック氷を入れ、水を冷やします。そして、15時過ぎ、水族館に帰ってきたら、カラフトマスを館内の水槽に入れます。私たちにとって、なかなかに長い1日です。

 カラフトマスは、年に2~3回いただいており、今年度の搬入は9月下旬に追加したカラフトマスで終了となりました。現在、水槽にいるカラフトマスが寿命を迎えると展示も終了となりますが、シロザケの展示は12月中旬まで続きます。10月、11月と、サケに特化したイベントもどんどん開催しますので、これからも是非、秋の風物詩サケをご堪能ください。

左:常呂川到着!トラックには水槽2個と、酸素ボンベが積まれています

右:溶存酸素量(赤い計測器の上の数字)と水温(下の数字)を計測する様子

【髙木】