新サモン君だより 11月

掲載日:2021.11.25

 今年も残すところ、あと1ヶ月となりました。今シーズンのインディアン水車でのサケ捕獲数は、318,642匹と昨年に匹敵するぐらい多い年となっています。昨年の捕獲数は、1888年以降歴代7番目多い年でした。そして、11月11日の「鮭の日」に、窓の前でサケの産卵が観られました。その日に当番だったボランティアの方が、その瞬間をカメラで撮影することが出来たのです。サケの産卵は、オスとメスのタイミングが合わないと産卵しないので、その瞬間を見ることさえ難しいことです。私は、10年間勤務していますが、産卵の瞬間に立ち合って撮影できたことがありません。今回、立ち会って撮影ができて、本当にすごいと思いました。11月下旬になり、観察窓ではサケの姿が減り寂しくなっていますが、これから窓の前で産卵するサケやサケの卵を狙ってブラウントラウト、アメマス、水鳥の潜水など見られる季節へと変わります。

(左 11月2日 観察窓サケの群れ  右 11月11日 観察窓サケの産卵の瞬間 撮影者:二瓶 聡)

 さて、11月11日は「鮭の日」です。その記念すべき日を盛り上げるべく、サケ月間として週末や祝日に「鮭活イベント」を開催しています。主な体験は、サケに触る「サケタッチ」やサケ皮を使用した「サケ皮クラフト」、人工授精をする「サケの採卵体験」、サケの骨を使用した「サケの骨ストラップ作り」、サケとアイヌ文化の関わりを紹介する「鮭の日アイヌフェスタ」があります。

 今年初めて実施したのが、サケとアイヌ文化の関わりを紹介する「鮭の日アイヌフェスタ」です。千歳アイヌ協会や千歳アイヌ文化伝承保存会の皆さんに、協力していただき「木彫り体験」、「ムックリ作り」、「古式舞踊や民族楽器演奏」、「丸木舟でのマレ漁実演」「千歳のアイヌ文化講演会」を行いました。もっとも見応えがあったのは、今年千歳で約30年ぶりに製作された丸木舟(チ)に乗り、マレでサケを捕獲する実演です。アイヌ民族の伝統漁具マレを使い、ひと突きでサケを捕獲する姿に歓声があがりました。

(11月14日 左:ムックリ作り 中:木彫り体験 右:アイヌ古式舞踊)

(11月13日 丸木舟に乗ってマレ漁の実演)

 また、鮭活スタンプラリーも実施中です。ご紹介したイベントに参加し、イベントごとにスタンプを3個以上集めると、水族館オリジナルグッズがもらえます。今週末のイベントで終了となりますので、参加をお待ちしております。

 最後に、来月のクリスマスに向けて、「イクラのグラスツリー」が、11月20日から登場しています。シャンパングラスを6段積み上げたグラスの中には、ふ化間近のサケの卵が入っています。卵の中には黒い目があり、中で動き回っている様子も観察できます。そして、イルミネーションもキラキラして綺麗ですので、季節限定の「イクラのグラスツリー」を見に来て下さい。

 

(イクラのグラスツリー)

【学芸員 日原俊】