新サモン君だより 5月

掲載日:2022.05.31

今年の3月~5月でサケ稚魚の放流体験をした一般参加の人数は、3万5千人ほどと過去最高を記録し、特にゴールデンウィークは非常に多くのお客様にお越しいただきました。当館やイベントについて、たくさんの人に知ってもらえるようになってきたのかなと思い、とても嬉しく感じています。

 サケ稚魚放流体験と同時期に開催する春の特別展では、5月5日のこどもの日付近に登場する『こいのぼり』に因んで、「みんな鯉こい 世界のコイ展」(5/31終了)を行いました。この企画展では、日本で品種改良がなされたニシキゴイや、外国のコイの仲間も展示しました。展示後の大きなニシキゴイは、エサやり水槽(千歳川ロードの一番下のウグイやコイがいる水槽)にお引っ越ししましたので、是非また見にいらしてくださいね。

 

 

 

 

 

 

 

 そして5月末~6月はじめ頃かけては、千歳川でコイの仲間のウグイたちが産卵シーズンをむかえました。ふだんは地味なウグイですが、婚姻色になると、赤や黒の模様が現れ歌舞伎の隈取りのような姿に変貌します。

実はウグイ、産卵場所にこだわりがあり、泥などがついていない、そして藻の生えてないきれいな石に粘着性のある卵を産みつけます。毎年水族館では、観察窓のくぼみに溜まった砂利をショベルカーで除去するのですが、その時にきれいな石がでてくるため、産卵しようとウグイたちが窓の前に集まりやすくなっています。

釣れてもあんまり喜ばれないウグイですが、産卵期のウグイは臭みがなく美味しいということで、栃木県では「アイソの田楽(アイソ=ウグイのこと)」という郷土料理があるそうです。私も学生時代に天塩川のウグイ(産卵期ではない)をつみれにして食べたことがありますが、臭みもなく美味しかったことを、ウグイを見る度に思い出します。産卵期が終わると窓の前で見られるウグイが減り少し寂しくなりますが、秋頃にまた沢山のウグイが登場しますので、楽しみにしていただけたらと思います。

 

(学芸員 髙木)