11月サモン君だより

掲載日:2022.11.30

 サケの遡上が落ち着き、例年であれば観察窓でサケが見られない日もありますが、今年は毎日サケが観察できています。通常、観察窓前の川底は写真左ぐらいの位置ですが、サケが産卵床を作るために砂利を動かし、写真右くらいまで砂利を盛り上げました。川底の形状をがっつり変えてしまうサケの力強さに吃驚です。さて、インディアン水車でサケの捕獲を始めてから125年程経ちますが、11月18日にサケの捕獲数歴代1位(552,777尾)を記録し、11月末時点で578,164尾捕獲されました。今年のインディアン水車の撤去は12月9日ですので、どこまで記録が伸びるか楽しみですね。

 11月は鮭の日にちなんだ『鮭活』、千歳アイヌ協会と千歳アイヌ文化伝承保存会の皆さまによる『アイヌフェスタ』、山の水族館(北の大地水族館)による『10周年記念のコラボ水族館』といった、様々なイベントも行われました。

 アイヌフェスタでは、講演、アイヌの伝統舞踊や民族楽器演奏、マレク漁体験に木彫りや刺繍などのワークショップを行い、アイヌ文化を間近に感じられるとても濃厚な2日間になりました。マレク漁とはマレクという可動式の鉤銛をつけた道具でサケを突いて捕る漁で、体験では水族館横の池で泳ぐサケ(約50尾入ってました)を岸から狙います。体験している方がマレクを突く度に見ている私たちも一喜一憂。捕れたときは見応えバツグンでした。

 10周年記念のコラボ水族館では、北の大地水族館さんから館長が来館しての出前水族館。以前、北の大地水族館さんに遊びに行った際に印象に残ったのは「館長がでてくるボタン」やスタッフ紹介、面白いキャプションの数々… 水族館で働くようになってから「生き物かわいいな~」だけでなく、展示の仕方に注目しがちになってしまった気がいたします。

 皆様も遊びに行かれた際は『ボタン』を押してみてはいかが?

【学芸員 髙木】