サモン君だより 7月

掲載日:2023.07.25

 7月15~16日にインディアン水車が設置され、17日には「サケ第一号」を観察し、私自身すっかり秋の気分になっていましたが、22日の千歳市民花火大会で、再び夏に引き戻されました。暑いですね。実はこの花火、水族館裏の千歳川わたってすぐのところで打ち上げられ、当館も毎年この花火大会の日は特別に21時まで開館しています。  

 

 

 

 

 

 

 

 

(左:2023サケ第一号、右:千歳市市民花火大会とインディアン水車)

 さて、7月15日からは夏季企画展「泳ぐ寿司ネタ!サケふる亭」が始まりました。生き物以外にも、お寿司の歴史や雑学を紹介したり、魚からお寿司のネタになるまでの動画があったりと、お寿司が食べたくなる展示です。日本でのお寿司の起源は奈良時代といわれ、元々は東南アジアで生まれた「すし」が日本に伝わってきたものでした。このときの「すし」は、現代の私たちがよく食べる「にぎり寿司(江戸時代に登場した、現在の寿司に近いもの)」とはかけ離れた食べ物です。そして、平安時代に登場したのが「なれずし(塩漬けにした魚を米で数ヶ月~数年発酵させたもの)」です。さて、この「なれずし」、平安時代のものと同じ味かどうかは比較しようがないですが、じつは現在でも作っているところがあります。当館スタッフHさんが取り寄せたアユの「なれずし」、スタッフみんなで実食してみました。

 

 

 

 

 

 

 

(左:アユのなれずし、右:Hさん、初めて食べる味にビックリ(笑))

この「なれずし」、今までに食べたことがない独特な風味だったため味を表現するのが難しいですが、口に含むと飼育員は秋にちょくちょく嗅いだことがある魚が発酵した香りがふわりと広がる、味よりも香りが印象的な食べ物でした。リアクションが様々で面白かったです。私は、「すし」という食べ物が「酸っぱし」から名付けられたと調べていたので、きっと「なれずし」は酸っぱいだろうと思っていましたが、酢の物が好きな私にとっては酸っぱさの方は気になりませんでした。 想像とは全く違う味で、文献だけでなく実際に食べてみることの大切さを改めて感じたひとときでした。

【学芸員 髙木】