サモン君だより 2月
掲載日:2024.02.25
1月のサモン君だよりでカイツブリの同居試験を紹介していましたが、その後の状況をお伝えします。新参の日本産カイツブリ(メス)は徐々に慣れて、先輩のカイくん(オス)と仕切り付近でお互い気にしているような様子が見られたので、何回か同居させてみました。しかし、一緒にするとカイくんがメスを追い回し、メスが怯えて物陰に隠れてしまうので、未だ仕切りを付けたままです。うまく相性が合えばいいのですが、どうなるでしょう。まだまだ試験は続きます。
【カイツブリ水槽 まだ別居中ですが、お互い仕切りの近くに寄っています】
次に、水中観察窓の話題です。この冬は、例年なら12月から1月に多いサケの産卵行動がほとんど見られませんでした。しかし、昨年10月から11月に産卵行動が数多く行われており、砂利の中ではふ化した仔魚が見られます。また、1月上旬は冬の定番となりつつブラウントラウトの産卵行動が見られました。その他、アメマスが時々現れたり、砂利の中でヤツメウナギが見られます。
【砂利の中のサケ仔魚、ブラウントラウトの産卵行動】
【50㎝ほどの大きなアメマス、砂利の中のヤツメウナギ】
魚以外では、ホオジロガモやシノリガモ、カイツブリなどの水鳥が、潜水して藻を食べたり、川底の卵などを食べる様子が見られました。久々にカワウの潜水が見られたり、観察窓の対岸となる右岸側にはオオハクチョウが来るなど、冬は生き物が少ない時期ですが、だからこそ何が現れるかなという楽しみもあります。
【シノリガモ、カイツブリの潜水】
【観察窓の対岸にいたダイサギとオオハクチョウ】
さて、間もなく3月ですね。水族館の開館時間は冬の時短営業から通常の9時~17時に戻り、サケ稚魚放流体験が始まります。まだ寒い日もありますが、日差しには春らしさを感じる今日この頃、みなさんのご来館をお待ちしております。
【学芸員 荒金利佳】