サモン君だより1月

掲載日:2025.01.25

 昨年は開館30周年記念でのイベントがあり、たくさんのお客様にご来館いただきまして有難うございました。

 あっという間に新年を迎え、干支ダイバーやちょこっと体験などのイベントにたくさんのお客様にご参加いただきました。皆さまのおかげで素敵な2025年のスタートになっております。

 新年のイベントを終えると千歳水族館は毎年恒例の整備休館に入るため、館内はスタッフしかおらずとても静かです。

 休館というと「スタッフもお休みですか?」と聞かれることもありますが、毎年この整備休館では水槽の水を抜き、アクリルを磨いたり、砂利を洗ったり、擬岩の珪藻を落としたり…他に設備の点検や工事などで実は大忙しです。

 今年は数ヶ所、展示している生き物を入れ替えなどを行なっておりますので、どんな生き物が登場しているのか…ぜひお楽しみに。

 さて、忙しなく動き回っているスタッフたちとは違い、水中観察窓から見える景色は冬らしく静かで、ブラウントラウトやアメマスが時おり窓の前でゆったりと泳いでいます。

 そんな今年の水中観察窓では繁殖を終え死んだサケが窓の前に留まっているので、微生物などによって少しずつ分解されてゆくのを観察することが出来ます。

 

(上は1月13日、下は1月22日のほっちゃれ)

 SNSにこの写真を投稿したところ、「九相図のよう」というコメントをいただきました。(九相図は、屋外に置かれた死体が朽ちていく経過を九段階に分けて描いた仏教絵画のこと)

 九相図とは条件が違うので朽ち方も違いますが、最後は同じく骨になります。その最後まで観察出来るように、このまま流されずにそこにあって欲しいと思っています。

 死骸ですのでどうしても見た目が恐ろしく、小さなお子様には刺激が強いかもしれませんが、そこにあるのはごく自然のもので、この死骸が他の生き物たちの食料になり、次の命へと繋がります。その姿を見て、命の尊さを話し合い、学ぶには大変よいものであると元・保育士の私としては思います。

 冬の観察窓では魚の他にも、水鳥の潜水や、冬限定「掃除しない窓」の珪藻に集まる水生昆虫たちを見ることが出来ますので、窓の隅から隅までじっくり観察してみてください。

 2月からのご来館をお待ちしております。

【飼育員 山林】