新サモン君だより 6月

掲載日:2022.06.30

千歳川水中観察窓では、6月25日に遡上してきたサクラマスの写真を撮ることができました。サクラマスの名前の由来は、春(桜の咲く頃)に遡上するからや、婚姻色の色(ピンク)からといわれています。確かに、いつもは桜が咲く5月頃に遡上を確認するのですが、今年私は、遡上してきたサクラマスをなかなか発見することができず、いつもより遅い確認となってしまいました。実は、サクラマス(春の色はギンピカ)とヤマメ(体の模様が美しい)、姿は違いますが同じ種類の魚です。河に残って淡水で生活するものを「ヤマメ(北海道ではヤマベと呼ぶことがあります)」、降海するものを「サクラマス」と呼びわけています。ヤマメが降海する場合は、生まれて翌年の春頃に旅立つため、千歳川では4月~5月末(北海道の地域によっては6月末)まで禁漁、遡上してきたサクラマスは全ての期間が禁漁となっていますので、うっかり釣りあげないようお気をつけくださいね。

(↑左:サクラマス、右:ヤマメ)

 さて館内はというと、アマガエルが産卵し、小さなオタマジャクシ(カエルのこども)が水槽内を泳ぎまわっています。

この時期になると、エゾサンショウウオも幼生(こども)になっていますので、水族館では毎年『エゾサンショウウオを飼ってみよう』という体験を行っています。この体験では、エゾサンショウウオの生態や飼育方法についてお話し、実際に参加者にはエゾサンショウウオをお家で飼ってもらいます。これを機会に身近に住む在来の生き物を知り、面白さを感じ、生き物を大切にしたいという気持ちが育ってもらえるといいな、と思っております。

サケ稚魚放流体験とともに春が終わり、時期的には初夏になりましたが、サクラマスやカエル等のオタマジャクシ(こども)を観察でき、まだまだ春の名残を感じる6月でした。

(学芸員 髙木)