サモン君だより8月

掲載日:2024.08.24

 水中観察窓ではちらほらとサケの姿が確認出来るようになった八月、ウグイの稚魚たちが群れになり窓の前を行き来している姿もよく見られるようになりました。

そのウグイの稚魚たちが小さな体でひと塊になって泳いでいるのを見ると、小学生の頃に読んだ絵本『スイミー』を思い出します。

 小さな黒い魚のスイミーが、小さな赤い魚の群れに入り、みんなで協力して大きな魚の形に群れることで他の大きな魚から味を守る、というお話です。

 現実では魚たちは人間がイメージがするはっきりとした魚の形の群れにはなりませんが、キラキラとした可愛らしい群れが現れると、観察窓が違った雰囲気になります。そこにいる生き物によって一瞬で雰囲気が変わる。そんなところも観察窓の魅力の1つだと思っています。

 ウグイは稚魚だけでなく、幼魚や成魚も窓の前に群れてカーテンのようになりますが、実はその中には時々モツゴという魚が泳いでいます。ウグイよりもウロコが大きく、体に黒いラインがあります。ぜひウグイカーテンの中にモツゴがいないか探してみてください。

 これからサケシーズンに入りますと大きなサケや大量にいるウグイに目が行きがちですが、そうやって探してみるとたくさんの種類の魚を見つけることが出来ます。他にも、ゴロゴロした石の陰には小さなシマウキゴリの稚魚やヌマチチブの姿も確認できますので、隅々まで生き物探しを楽しんでください。

飼育員 山林